【連載】

GoogleAppsとの連携で注目度上昇中! Zoho100%活用術

8 「世田谷区ひとり親家庭等在宅就業支援事業」で受講生をきめ細かにサポート

    エースラッシュ  [2012/02/23]

    受講者管理に「Zoho CRM」を利用

    キーウェアソリューションズ 営業本部 コンサルティング部 シニアコンサルタント 佐藤貴憲氏

    キーウェアソリューションズは、各種ITソリューションのコンサルティングや導入を行うソリューションベンダーだ。商材の1つとして「Zoho」も提供しており、その特徴などは熟知していた。しかし当初から、「世田谷区ひとり親家庭等在宅就業支援事業」に「Zoho Mail」の利用を考えていたが、「Zoho CRM」を利用する予定はなかったという。

    そう語るのは、同事業の運営を担当しているキーウェアソリューションズの営業本部 コンサルティング部 シニアコンサルタントである佐藤貴憲氏だ。

    「世田谷区ひとり親家庭等在宅就業支援事業」は、国の「安心こども基金管理運営要綱」や「東京都ひとり親家庭等在宅就業支援事業補助要綱」に基づいた取り組みで、ひとり親家庭の母親や父親と寡婦を対象にした在宅就業の支援事業だ。

    同事業に参加した母親や父親は約1年かけて、PCの使い方や実際に業務を行うための知識を習得し、さらに在宅就労の経験を積む。特に、ひとり親家庭の母親は就労経験がなかったり、結婚や出産でキャリアが途切れてしまい復職が難しかったりと、就業に壁があることが少なくない。また、育児や家族の介護などの事情から在宅業務でしか就労できない場合もあり、PCの知識や基本的な業務の理解が重要になる。

    プログラム参加中は一定条件を満たせば毎月訓練手当てが支給される。またプログラム後半では、実際に報酬を得られる仕事をOJT形式で訓練できる事業だ。

    「当初は受講者との連絡はZoho Mailで行い、各種データはExcelで管理すればよいと考えていました。ところが、実際に取り組んでみると、各スタッフの情報共有など管理業務はかなり煩雑でもっと方法を考える必要があると気付いたのです。コストと時間の都合上、システムを手作りすることは難しかったため、クラウドサービスのZohoを利用中ということもあり、顧客管理を受講生管理に置き換えれば、Zoho CRMが活用可能と考えた」と、佐藤氏は語る。

    カスタマイズで詳細項目を追加してきめ細やかな管理を実現

    Zoho CRMで管理対象となる受講者は60名。第1期生となる平成23年度の定員数が60名であり、応募者77名から厳選かつ公正に審査し60名を選出した。

    「受講にあたっては機材も貸し出しましたし、インターネット回線費用やプロバイダ費用も一部補助しています。選出された受講生の中には、PCの使い方がほとんどわからない方もいらっしゃいましたが、研修に参加することで習得していただけました。」と佐藤氏。

    オリエンテーション後は基本的に在宅でeラーニングを重ね、月に1度の集合研修に参加する。相談や学習の場として、常設の世田谷在宅就業支援センターも提供する。また、集合研修や世田谷在宅就業支援センター訪問時に小さな子供を抱えた受講者が参加しやすいよう、無料で託児できる体制も整えた。さらに、プログラムの後半に登場する一般企業からの業務請負を行うための業務開拓などもキーウェアソリューションズで担当している。

    ソリューションベンダーであるキーウェアソリューションズは、学習支援のシステム面だけならば従来のノウハウで運営することが可能だ。しかし、テレワーク環境などの構築実績はあるものの、事業全体を請け負うということは初の試みだった。学習サポートと仕事の依頼に関しては、子育て世代の女性を中心としたコミュニティを構築するキャリア・マムと提携することで解決されたが、学習内容や受講者の細かな属性などを記録するツールとしてExcelは力不足だった。

    「学習の進度や提出状況、テストの点数、集合研修への参加状況などを細かく記録する必要があります。受講者への連絡方法も、『昼間の仕事をしている方だからこの時間はダメ』、『保育園のお迎えがあるからこの時間を避ける』といったように、個別に対応する必要があります。そのため、家族構成や介護の有無など、生活に関わるさまざまなことをデータとして収集しました。これらをすべて記録する際にZoho CRMが活躍してくれました」と佐藤氏は語る。

    受講者を取引先としてとらえ、カスタマイズで入力フォームを次々と増やしながらの利用だった。当初は電話と掲示板、チャット、メールなどで行っていた連絡もZoho Mailでスムーズに行えるようになったという。

    「最近行われたリニューアルで画面が非常に見やすくなり、Zoho CRMの取引先担当者項目に写真が入れられるようになったのは嬉しいですね。メールやチャットで対応するチューターも在宅業務で行っており、われわれが受講者の顔を見るのは主に集合研修の時だけ。60人の方の顔を覚えるのは難しいですが、個人ページに写真が入っていれば安心です」と佐藤氏。連絡用のチャットや掲示板も、Zoho Projectのものを利用中だ。

    月次レポート作成にも活用、今後の利用拡大も狙う

    メールとExcelでの管理から「Zoho CRM」による管理へ移行して、問い合わせ履歴の管理などが行いやすくなったという。各受講者に連絡手段としてZoho Mailのアカウントを発行しているが、操作に困ったという声もなかったようだ。

    「世田谷区に月次報告を出す際も、Zoho CRMのレポート機能が活躍しています。第2期の募集が始まりましたが、第1期で応募いただいたのに残念ながら参加していただけなかった方をリードとして登録しておきましたので、優先的な連絡も簡単に行えました」と佐藤氏は語る。

    「Zoho CRM」をフル活用した結果、佐藤氏は今後も利用を拡大したいと考えている。キーウェアソリューションズ自身は、世界的にも導入実績が多数あるCRMの2製品を利用または導入しているが、この2つと比較しても「Zoho CRM」は短期導入、容易なカスタマイズやコストの面で特に扱いやすいという。

    「世田谷区ひとり親家庭等在宅就業支援事業では、コストだけではなく使い勝手を考えてZoho CRMを選び、その結果に満足しています。今後は社内でも活用したいですし、今回の経験を踏まえて外部への販売も強化したいですね。今回の事業は東京都では唯一世田谷区が行っていることで注目度が高く、全国の他の自治体より同事業を請け負う予定のベンダーから相談を多く受けるため、Zoho CRMを活用した効率的なセンター運営を提案しています」と佐藤氏。

    キーウェアソリューションズでは、じっくりと使ってみた手応えをもって、ノウハウが豊富な形で「Zoho CRM」に関する営業活動が行われそうだ。

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