【レポート】
アップルは、今や時価総額でも世界一、パソコンメーカーとしても製品出荷量がトップで、タブレットメーカーとしてもナンバーワン、スマートフォンのメーカーとしても世界1位を誇っている(iPhoneとiPadをあわせた出荷量は3億1,500万台を超えている)。実はこうしたハードだけでなく、音楽の楽曲販売においても世界トップの座に輝いている。
既報(「アップル、iTunes in the Cloudを日本でも提供開始 - その他の新機能も」)のとおり、アップル社は2月22日未明、音楽をより簡単にいつでもどこでも買えるようにiTunes Storeを大幅に機能強化し、マイケル・ジャクソンやビヨンセ、セリーヌ・ディオン、Sadeなどの洋楽を中心にソニー・ミュージック系の一部楽曲の提供を開始した。
また、米国で提供が始まっているiTunes Matchというサービスについても年内に国内でサービスを始める方向で調整していることがわかった。
アップルが今日から新たな機能・サービスとして提供をしたのは以下の5つだ。
1の「3G回線からの楽曲購入」は、iPhoneやiPadで、無線LAN接続をしていなくても、思い立った時に楽曲を試聴や購入できるようにする機能だ。これは小さな機能に見えて我々のライフスタイルを大きく変えうる。例えば人と会って音楽の話題になった時に「この曲です」といって試聴させることで、未購入の曲であっても、相手に伝えることができる。
2.の「全楽曲のiTunes Plus対応」は、既に高音質なiTunes Storeのすべての楽曲を、より高音質な256KbpsのAACフォーマットで購入できるようにしたというものだ。iTunes Plusの楽曲はDRMすなわち著作権保護機能がついていないため、アップル以外が提供する音楽プレーヤーなどに転送して聞くこともできる。
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過去にiTunes Storeで購入したアイテムは、曲なら50円、ミュージックビデオは100円、アルバムは元の価格の30%で256kbps AAC/DRMなしのiTunesPlusにアップグレードできる |
そして今回の発表の最大の目玉は、3番目の「iTunes in the Cloud」だ。これまでのiTunes Storeでは、音楽を1回ダウンロードするという行為に対して課金されており、例えば一度購入した楽曲ファイルをなくしてしまったときには、また代金を払って買い直す必要があった。
これに対して、iTunes in the Cloud機能が導入されたことにより、ユーザーは音楽を所有することに対して支払いするようになる。つまり、一度iTunes Storeで購入した曲であれば、後からまたダウンロードし直す際に、代金はかからないのだ。iTunes in the Cloudの権利は、過去にiTunes Storeで購入した曲まで遡って適応される。つまり、ハードディスククラッシュなどで紛失してしまった曲も、このサービスを使って再びお金を払うことなくダウンロードができる。
この種のサービスを日本で提供するのは、このiTunes Storeが初となる。
また、iTunes in the Cloudには、iCloud経由で機器間の楽曲を同期する機能もある。1つの機器(例えばiPhone)のiTunes Storeで曲を購入すると、パソコンやiPadにもその曲が自動的にダウンロードされるのだ(この自動ダウンロードはオフにもできる)。PDFなどの特別コンテンツ付きiTunes LPをiPhoneやiPadで買うと、次回パソコンでiTunesを起動した時に、それらのコンテンツも自動的にダウンロードが始まる。
4番目のポイントとして、着信音・通知音もついに日本でも購入できるようになった。
購入した着信音・通知音は、電話の標準着信音に設定するだけでなく、特定の連絡先に紐付けて曲を割り当てることもできる(つまり、Aさんから電話がかかってきたときはビートルズの「From me to you」を鳴らす、といった設定が可能だ)。また、iMessageなどのメッセージ受信、カレンダー、リマインダーによる予定の通知にも割り当てることができる。
5番目の「コンプリート・マイ・アルバム」は、既に何曲か楽曲を購入済みのアルバムについて、持っている曲にあわせた金額を割り引いた値段でアルバムを購入できるようにする、という機能だ。これまでは、気に入った曲を数曲買った後、それらの曲が入っているアルバムを買おうと思っても、既に所有している曲を結果的にまた購入し直すことにためらいを感じる人が多かったと思うが、これからは割り引かれた料金でアルバムがより買いやすくなる。
こうした新機能にあわせて、アップル社はiTunesで提供する楽曲コンテンツの拡充も図っている。
その1つ目はソニー・ミュージックの一部楽曲の提供だ。これまで長い間、日本のiTunes Storeでの楽曲提供を行なっていなかったソニーだが、本日から洋楽を中心とした楽曲の提供を行う。これによりマイケル・ジャクソンやフー・ファイターズ、ビヨンセ、セリーヌ・ディオンといった大物アーティストの曲が、初めて日本のiTunes Storeで購入できるようになった(海外では既に提供されていた)。
もう1つはビートルズの着信音・通知音。日本での新サービス公開にあわせてアップルだけが世界独占で提供する。
3つ目は、「Mastered for iTunes」と呼ばれるアルバムシリーズだ。
多くのミュージシャンは、レコード、CD、携帯型音楽プレーヤーといった新しいメディアが登場すると、それにあわせて、楽曲がちゃんと自分の意図したとおりに聞こえるか、テスト用のマスターをつくってはさまざまなスピーカーで聞き直す、ということを行なっている。
「Mastered for iTunes」は、iTunes Plusフォーマットで提供する曲が、まさにミュージシャンが意図した通り再生されるか、アップル社提供のツールやエンジニアが最適化作業を施して作られるアルバムシリーズとなっており、コールドプレイやエイミー・ワインハウスなどの人気アーティストからロンドン交響楽団、フィリップ・グラス、村治佳織などのクラッシック楽曲まで、最初から多彩なアルバムが用意されている(リマスタリングの詳細については別途PDF形式のホワイトペーパーを提供している)。
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