【レポート】
宇宙航空研究開発機構(JAXA)の相模原キャンパス(神奈川県相模原市)で7月29日~30日の両日、施設の一般公開イベントが開催された。ここを拠点とする宇宙科学研究所(ISAS)や月・惑星探査プログラムグループ(JSPEC)は、宇宙科学や太陽系探査を担当する部門。宇宙ファンには人気の恒例行事となっており、今年も大勢の人が訪れていた。
昨年はちょうど、小惑星探査機「はやぶさ」が帰還した直後で、その熱狂の中での開催となった。隣接する市立博物館において、帰還カプセルが初めて公開されるということもあって、相模原キャンパスも過去最大の大混雑となってしまったが、今年はそれに比べるとまだ見やすい状況。夏休みの期間ということで、子供連れのファミリーの姿も目立った。
以下、相模原キャンパスでの展示内容を中心に、ダイジェスト的に紹介していく。今回は取材する時間がなかったのだが、市立博物館では子供向け、近代美術館フィルムセンターでは大人向け(中学生以上)のセミナーも開催されていた。もっと深く知りたい向きには、こういったセミナーもおすすめしたい。
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「はやぶさ」の活躍もあって、人気なのが電気推進に関する研究紹介(イオンエンジンは電気推進の一種)。今年も「μ10」の試験運転を見ることができた |
μ10は「はやぶさ」搭載のエンジンであるが、最新のμ10は推力が8mNから10mNにアップしている。そのために、推進剤(キセノン)の供給口を8つ増やした(図中のB) |
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直径がμ10の2倍(20cm)になるのが「μ20」。昨年、すでに1万時間の耐久運転試験に成功しており、信頼性は一定のめどがついているようだ |
μ20は「はやぶさ」進化型の「はやぶさマーク2」に搭載される予定だが、まずは小型衛星に搭載して実証することを提案しているとか。それがこの「DESTINY」 |
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一方、逆に小型化したバージョンが「μ1」。超小型衛星向けに検討されているもので、推力は低いが軽量で省電力。μ10の中和器から派生したものだという |
面白いのは、1つのスラスタでイオン源になったり中和器になったり切り替えが可能なこと。比推力はμ10の半分以下になってしまうが、それでも化学推進の数倍だ |
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磁気プラズマセイルの研究も面白い。同じ「宇宙ヨット」でも、ソーラー電力セイルの「IKAROS」は太陽光圧を利用するが、磁気プラズマセイルは太陽風を使う |
磁気プラズマセイルは磁場を「見えない帆」として利用する。帆を大きく展開するのに、プラズマを使うのが良いのだとか |
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電波天文観測衛星「はるか」の熱構造モデルが触れる状態で公開されていた。もちろん本物ではないが、普通は試験モデルでも触れないので貴重な機会 |
人工衛星は一品モノなので、組み立てはほぼ手作業。この金色のMLI(多層断熱材)などはミシンで縫われており、洋服のオーダーメイドと変わらない |
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「はやぶさ」のコーナーは今年も大人気。10月公開の映画「はやぶさ/HAYABUSA」の予告編も上映されていて、注目を集めていた |
これは「はやぶさ2」の模型。ハイゲインアンテナが初代のパラボラ型から平面型に変更されているのが目を引く |
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「はやぶさ2」は「はやぶさ」の同型機と言われることが多いが、じつは結構異なる。小惑星表面に激突させてクレーターを作る装置や、欧州の小型ランダーも搭載 |
「はやぶさ2」が目指す小惑星「1999JU3」。まだ正確な形は不明だが、イトカワのときと同じように、「はやぶさ2」到着後にはちゃんとした模型になるだろう |
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月探査機「LUNAR-A」に搭載される予定だったペネトレータの模型。LUNAR-Aは中止になってしまったが、ペネトレータはロシアの探査機への搭載が検討されている |
ペネトレータは槍型の観測機。月面に高速で打ち込まれるため開発は難航したが、2010年についに実用化のめどが立った。内部は全てエポキシで充填されている |
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月の模擬砂(模擬レゴリス)を触るコーナーは行列が出来ていた。人工的に作ったモノだが、特性が良く再現されている |
月探査機「かぐや」の後継機「SELENE-2」は、2016年の打ち上げを目指しているところ。ピンポイントの月面着陸とローバーによる探査を実施する計画 |
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