ビジネスソフトウェア会社SAPジャパンにて、かつて30歳で最年少部長に就任し、35歳で経営全般の戦略、予算、組織全てを扱う営業企画本部の本部長に、そして36歳の現在はチャネルビジネス全体を統轄する金田博之さん。まさに絵に書いたようなキャリアを歩む彼だが、実は29歳までほとんど英語が話せなかったという。
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| SAPジャパン株式会社 パートナー & ゼネラル・ビジネス営業統括本部 チャネル営業本部 本部長 金田博之さん |
金田さん:外資系では英語ができる人に仕事が回りますから、外資系で働くがゆえにコンプレックスは大きかったですね。でも、29歳のときに副社長補佐に抜擢され、いきなり経営会議などで英語を話さなければならない状況に追い込まれました。当時は副社長が日本人でしたので、外国人の経営者に会う時に伝言しなければならず、少しのミスも許されないためプレッシャーは相当なものでした。
だが、ディスカッションやプレゼンの日々をくぐり抜け、33歳には国際会議で司会進行をするまでになった。
英語が話せなかった20代の金田さんにも、ビジネスで英語を使う場面はあった。
金田さん:たとえば電話会議があれば、発表する5分の内容を全部スクリプトにして徹夜で準備。その程度のレベルでした。ただ、同じ原稿を読んでも人によって違って聞こえるため、抑揚や発音の重要性、相手に『どう伝えるか』という意識は磨かれましたね。生きた英語の世界では難しい単語はほとんど使いませんし、相手がノンネイティブなら逆に伝わりません。そこである日から、1日かけて作っていたスクリプトを20分に短縮し、代わりに『表現力』を磨くことに切り替えたのです。結局、英語は伝わって初めて意味が生まれますから。
電話会議や社長に会うたびにスクリプトを作成するわけにもいかず、金田さんはスクリプトを削ぎ落すことを始めた。
金田さん:文章を短くしたおかげで、逆に伝えるべきメッセージをゆっくり、表現豊かに話すことを学びました。すると、相手の反応を得ることができたのです。反応があれば当然インプットも増えていきます。
想定外の反応が来た時に、普通の反応は“焦る”。なんとかカタコトで答えても、また次の想定外の反応がやって来る。
金田さん:日本人は『正確に伝えること』を求めがちですが、これはプッシュ型の会話で、反応がなければ自己満足で終わってしまいます。それよりも相手からの『引き出し方』を覚えて、カタコトでも答えざるを得ない環境を作り出したほうがはるかに実践的だと考えたのです。
>次ページでは、金田さんの英語上達法を紹介
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